18歳。
夏休みのバイクツーリングを計画!
友人とガールフレンド、そして僕の3人で集まりました。
海へ行こうか、山へ行こうか、、、なかなか話がまとまりません。
と、何気に目が留まった、1冊の雑誌、、、、
月刊「ムー」、、、
その表紙には、、、
「恐山 特集」、、、
3人の目が合って、、、行っちゃう!?
若気の至り、、怖いもの知らず、、、
青森「恐山」、、、 幽霊に会いに行こう!ツーリング決定!
まだ陽の上らない早朝出発!
北海道から、函館のフェリーにバイクを積んで青森へ渡ります。
旅は順調に進んで、同日、夕方に恐山に到着、、、
普通は、皆さん恐山にある民宿に宿泊するそうですが、、、
私たちの目的は 「幽霊に会いに行こうツアー」ですから、、,
あえて、人がいない 湖畔にテントを、、、
テントの設営を終えて、民宿内の食堂へ、、、
民宿内には、売店があり、そこの店員さんの 幽霊話を聞きながらの食事となりました、、、
ある時、口笛を吹きながら、お客さんが売店へ来たそうです、、
「いらっしゃいませ〜」と、目を上げてみると、、、
首から上のない人が、、、お買い物に来たそうです、、、
また、ある時は、民宿内に 火の玉が 漂いながら、、
壁にぶつかって消えたそうです、、 ほら、あそこにその跡が、、、と、、
それは、多くが毎週水曜日に起こるそうで、、、
温泉では立ち上がる湯気に、、、無数の黒い影が、、、
そんな事が当たり前にあるそうで、、、
私: 「今日何曜日、、、?」
友人; 「水曜日、、、」
やばい、、、
これから、みんなで温泉へいこう、、というときに、、、
そんな話を聞いたんじゃ、、、ねえ、、
でも、怖いもの見たさに温泉へ、、、
恐る恐る、、ドアを開けて、、、
立ちこもる湯気に、、黒い人影がないことを願いながら、、、
いやいや、幽霊を探しにわざわざ遠くから来たのだから、、、
そんな、恐怖と、期待感に包まれながら、、
広い温泉室内には、いくつかの湯船があるのですが
視界2メートル、、手探り状態で中を進みます、、、
温泉は、床も、湯船も 檜?で作られていて、、、
少し年季が入って、黒光りしています、、、
お客さんは、友人と僕の2人だけ、、
、、、と、何も起きずに、温泉終了、、、
売店でビールを買い込んで、テントへ、、、
湖畔に腰をかけて、皆で乾杯!
恐山と聞けば、血の池 地獄だの、、、
三途の川だの、、、
オドロオドロした名称のポイントがありますが、、、
目の前の、湖は、、、
鏡を張ったように、微動作にしない水面に
遠くの山や、夕焼けの空が映り込んで、、、
この世のものとも思えないほどに、美しいです、、、
陽も暮れて、、、
就寝時間、、、
狭いテントに3人、川の字になって眠りにつきました、、、
それから、どれくらい時間がたったでしょうか、、、
僕は、物音に気がついて、目を覚ましました、、、
耳を澄ませてみると、、、
すすり泣く声が〜、、、
とうとう 来たー、、、
と、、、よく聞くと、連れのガールフレンドが泣いているではないですか、、、
友人も起こして、、、
私 : 「なんで泣いてるの?」
彼女 : 「さっきから、誰かがテントの周りをぐるぐる歩いているの、、、」
砂を踏む音が聞こえるのだそうです、、、
私は、眠い目をこすりながら、友人と耳を澄ませます、、、
でも、1日で遠くここまで走った疲労と、寝る前に、たくさん飲んだビールのおかげで、、またすぐに、、Zzz.. Zzzz...
すると、さらに大きな泣き声で、起こされました、、、
彼女は、トイレへ行きたいけど、離れのトイレは怖くて行けない!、、
結局、テントのすぐ外で彼女は立ちションに、、(女性の場合は、立ちションっていわないか、、?)
無事、朝を迎えた3人は、民宿で朝ごはん、、、
すると、昨日の売店のおじさんが、、、
出たよ、出たよ昨日、、、
温泉の水が、洗い場に全部汲み出されて、温泉が空っぽに、、、。
マジか、、、。
その日は、恐山の中を観光、、、
1箇所、、、
小さな小屋がポツリ、、、
その中に、亡くなった方々の浴衣や、束ねた長い髪の毛が、沢山吊り下げられていて、、、不気味、、コワ、、
その他は、天気も良くて、オドロオドロした感じはなくて、、、
当時はカメラがフィルムでしたが、、、
バシバシ写真を撮って、、、 幽霊が写っているかも、、、
現像してからのお楽しみ、、、。
恐山を後にします、、、。
今日は、その先にある十和田湖の湖畔の旅館へ。
チェックイン後、夜中お腹が減った時のために夜食の調達へ、、
と、旅館の従業員曰く、、、
夜は、あまり走らん方が、いいよ〜、、っと
なんか意味ありげな、、、
そんな助言を聞き流し、、、
旅館から20分ほどさきの、コンビニへ、、、
珍味やカップラーメンを買い込んで、、、
友人と彼女が遅いので、、、僕は一人で先に旅館へ戻ることに、、、
真っ暗な、山道を旅館へ向けバイクを走らせます、、、
先が見えない、右カーブに差し掛かった時、、、
前方から、ゆらゆらと自転車のライトが道路を照らしてこちらへ向かってきます、、、
私はバイクのスピードを落としました、、、
、、、そして、、、
自転車が見えるか、、と、その時!!
その灯りが、フワ〜フワ〜っと空へ舞い上がっていったのです!
ついに、、、ついに、、、
見ちゃいけないものを、、、
見てしまった!
全身、、鳥肌です、、、
両方のミラーをグィッと、外へ向けて、、、
万が一、ミラーを覗いて、、、
私の後ろに、誰かが乗ってたりして、、、ギャ〜!!
もう、バックミラーで、後ろをのぞく勇気もありません。
一目散に、旅館へ退散、、、
その後、友人と寝る前に温泉へ、、、
そこの温泉の横には沢があって、さらさらと川が流れています、、
大きな湯船の向こうは、曇りガラスでその沢に面しているのですが、、、
その曇りガラスの外、、、
そこを、誰か、、白い影が、、はっきりと、、
通り過ぎました、、
友人と2人、、、縮みあがるほどにビビりましたが、、、
あまりにはっきりと人影だったので、、、
きっと温泉の管理人か、、、誰かが通りぬけたのだろう、、
と言うことに、、、
翌朝、朝食を済ませてから、外を少し散歩、、、
沢にかかる小さな橋の上から、昨夜入った温泉が見えます。
ん? 温泉の外は、少し切り立った崖になっていて、、、
人が歩けるようなところではありません、、、
昨夜の白い影は、やっぱり!! ギャーーーッ、、
私は、根っから霊感体質ではないのですが、、、
ちょっと、向こうの世界を、覗かせてもらいました、、、
「恐山」
やっぱり、ここいるよね、、、。コワ、、